こころの元気+ 2011年11月号特集より
特集
病院を変えることが必要かも?
国立国際医療研究センター国府台病院(精神科医)
吉田衣美
ここでは「病院を変えることが必要かも?」について考えてみます。
病院を変えたいとき …と言われ、今までの経験から思い浮かぶ声として「担当の先生が合わない」、「診断、治療の点で疑問がある」というときでしょうか。
「先生と合わない」と思ったとき、皆さんはどうしていますか?
じっとがまんする人、面と向かって言ってしまう人、いろいろだと思います。
その違和感の正体はなんでしょう?
話を聞いてくれない、説明が理解できない …などでしょうか。人間同士ですから、相性の問題はあります。
ただそれが治療に影響するものであれば考え物です。
こういうときは、「治療については自分が主役」と考えて動いていただけたらと思います。
主治医に自分の違和感について話してみて(もしかしたら、主治医の態度には治療的意味合いがあるかもしれないですから)、それでも納得できないときは、病院を変えるというのも一つの手段だと思います。
また、「自分の診断名が違っているのではないか、治療が今のままでいいのだろうか」というとき、別の専門家の意見を聞きたい!と思うのは自然なことだと思います。
別の病院で医師の診察を受け、意見を聞くことをセカンドオピニオンと言います。他の病院にかかるなんて、担当の先生に言えない …なんて遠慮はせずに、自信を持って主治医に伝えてください。
そのときは紹介状も書いてもらいましょう。ことわる医師はいません(なぜなら、治療を受ける方の権利として認められているからです)。
ときどき、他の医療機関を受けるときに紹介状が必要ですか、と聞かれることがあります。
今までどんな治療をしてきたか、のんでいる薬は何か、副作用で使えない薬はないか、紹介状はとても大事な情報源です。ぜひ書いてもらいましょう。
「治療については自分が主役」です。自分が納得できる医療を受けることが一番の治療だと思います。