こころの元気+ 2011年12月号特集より
特集8
「就労移行支援事業所」はこんな所
NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク 総括所長
金塚たかし
「働きたい、でも不安」、「入院をして長い間働いてないし、働けるやろか」 …という不安を持っておられる方は多いはず。
今、地域には居場所としての施設ではなく、就職をめざしたトレーニングをする施設があるのです。今回は、そんな施設「就労移行支援事業所」の基本的情報を紹介します。
Q
地域のどこに施設があるのかわかりません
A
市役所の福祉課、保健所(保健福祉センター)などの公的機関の他に、障害者就業・生活支援センター、相談支援センターなどの相談機関やご自分が受診している診療所や病院などの相談員や医師にお聞きしてみてはどうでしょうか。
施設の名前や連絡先がわかれば、まず、電話を入れてから訪問することをおすすめします。
できれば訪問前に、ホームページで施設の情報を確認しておくとよいでしょう。
Q
給料はもらえるのですか
A
就労移行支援事業所はトレーニングを行い就職をめざす施設ですので、給料はありませんが、工賃という形で月に数千円から数万円ぐらいまで支払われているようです。
ただし基本は、お金をかせぐ所ではなくトレーニングをする所です。
Q
利用料はいるのですか
A
基本は、無料と考えていただいてかまわないでしょうが、人によっては利用料が発生します。詳細は市役所の福祉課にお問い合わせください。
Q
どのようなトレーニングをするのでしょうか
A
利用開始後の数か月は、施設内でトレーニングを通して生活リズムの確立、働くうえでの基礎体力など就職をするための基本的準備期間になります。
利用日数や時間はその人の状態に合わせて、始めからフルタイムで開始する人もおられますが、週に三.四日、午前中から始めるなど無理せずに開始するのがよいのではないでしょうか。
準備期間をへて、本格的なトレーニングに入っていきます。トレーニング内容は、実際の企業内(いろいろな業種)において働く経験を積みます。施設のなかとはまた違った緊張感を持って働くことで、就職へ向けての大きな自信につながることと思います。
企業内実習を経験し、「昔、働いていた頃の自分を思い出してきました」と自信をとりもどし、就職される方が多くおられます。