「こころの元気+」2008年3月号より
生活のなかで私が感じるストレスと、その対処方法(体験談)
多人数と一緒にいること
田澤誠史さん/東京都
私のストレス(不快感)は、ある一室に多人数といるときに発生します。しかもそれが、数字をノルマにしている会社の一室や、バスの中で自分が利用されているとの思いが募り、不快感でいやな気持ちになります。まわりの人にもはけ口を見い出せず、理解に乏しい方を見るとガッカリします。
私という人間は、みんなの負担や重荷を一身に背負った感じがありますので、私の根底の中には、どうもハズレクジを引いた感じがあります。
積極的に話ができないこと
N・Tさん/東京都
私は統合失調症になって六年目の、三八歳の女性です。
私は引っ込み思案なため、職場でまわりの人と積極的に話せないことがストレスとなります。話したいのに話せないでいると、だんだんストレスがたまってきて空虚な気持になり、何もやる気が起きなくなります。
また、最近まで昇級試験のための勉強をしていたのですが、勉強ばかりしているとしんどくなり、はかどらなくなりました。そこで、ストレスの元を減らす努力をし、同時にストレス解消法を持つことにしました。
ストレスの元を減らす、というのは、職場の場合だと、自分からまわりの人に話してみる、ということです。
少し勇気がいるし、うまくいかないときもあります。しかし、うまくいかなくても、実行できたときはストレスはたまりません。
ストレス解消法を持つ、というのはいつもと違うことを意識的にしてみることです。試験勉強も時間を決めてやり、休憩時間には雑誌を読んだりして、無事試験を乗り切りました。
ストレスのため方は人それぞれのパターンがあると思います。自分でそのパターンに気づき、ストレスそのものを少なくする方法を見つけたり、ストレスの発散方法を複数持つなどして病気同様、ストレスともうまくつきあっていきたいと思います。
わかってもらえないこと
冨永真弘さん/奈良県
私がストレスを感じるときはこんな場面です。以前通所していた作業所のときのことです。
「あなたは障害者に見えない。あなたは障害が軽い」と言われてきたことです。自分自身、精神的な不安からくる被害妄想、自傷行為について悩んでいるのに、作業所に行ってるときの、一側面からしか判断してもらえず、そう言われます。
自宅では、たいへんなことになっている。奇声を発する、被害妄想になる。それを説明してもわかってもらえない。このときは、ストレスがたまりました。そしてそれを家に帰ってから爆発させる。その繰り返しでした。
障害の軽い、重いで分けて、はたしてよいのでしょうか? 他人から見れば軽いかもしれない。しかし、自分自身は、苦しんでいる。簡単に判断できるものではないと思います。
そんなことが幾度もあり、結局、最後には、作業所を変えました。結果として、これが対処法になりました。新しい作業所に通所するようになってからは、そういう見方で、話してくる人はいません。作業所や施設は、本来ストレスがたまる場であってはならないと思います。
扉を閉めるなどの生活音
小松達也さん/千葉県
私は、生活音にすごくストレスを感じてしまいます。家族が少しでも強く扉を閉める音が聞こえると、「何か悪いことしたかな」と不安になってしまいます。まったく自分に関係がないとわかっていてもダメです。なぜか自分が悪いことをしたような気になり、落ち込んでしまいます。そして動悸がしだして、部屋にじっとしていられなくなります。
そこで私は、実況見分を行うことにしています。音がした場所に行き、原因を探します。そして、自分に非がないことを確かめます。なので親には、よく「何か怒っている?」というようなことを聞きます。そして部屋に戻り、無理にでも横になり、イヤホンで音を大きめにして音楽などを聴きます。自分だけの世界に入り、状況を整理して落ち着かせます。それでもダメなときは、不穏時の薬をのみ、本格的に寝てしまいます。
音がするたびに見分するのはたいへんですが、自分が主体的に動き、確認することで、次への耐性もつきました。
最近では、ある種の音には過剰に反応しなくなりました。「前回自分で確認した」という気持ちの蓄積が大きいと思います。「自分が」という気持ちを強く持ち、多少自分本位になっても、自らで解決するという気持ちが大切だと思います。