こころの元気+ 2012年5月号特集より
特集5
結婚いいですよ!
一つひとつ乗り越えて
神奈川県 はんぺん★さん
私は、現在二八歳です。パニック障害とうつ病とともに生きています。
パートナーである夫は三七歳で、統合失調症を三〇歳のときに発症しました。現在は寛解してお薬とつきあいながら、仕事をがんばってくれています。
二人の結婚が、簡単だったかというとそうではありません。お互いに病気を体験しているということで共有・共感できた部分もありましたが、一人の人間として真剣にぶつかりあうことが何度もありました。
出会ったのは、インターネットのゲームがきっかけでした。最初は警戒というか慎重でしたねぇ、ネットでの出会いは危険だと思っていたので。
でも、メールのやりとりをしたり、お互いに文通していくなかでしだいに惹かれていきました。会うまでに文通は一〇〇を超えていました(笑)。
毎回届く、思いのこめられた手紙とちょっとしたサプライズのあるプレゼント。綺麗なシールに用紙。一通一通が違うものを送ってきてくれました。
手紙の内容は、一行のときもありましたし、とても長文のときもありました。文章もとてもうれしいのですが、手紙を出しそして、届くのを待つ時間がとても愛おしかったです。
結婚は、自分たちはもちろんのこと、さまざまな立場の人に相談して、何が必要で足りないところはどうすれば解決できるかなど、一つひとつていねいに乗り越えていけば、とてもよいものになると思います。
私たちは、とにかく問題点などを考えつくままにノートに書き出しました。そして解決方法を書き出しました。その後両親や友人、くわしい人などに聞き、アドバイスを求めました。
そうしていくことで、結婚に一歩一歩近づき、ウエディングドレスを着られました。予算の関係もあり、式や披露宴はできませんでしたが、写真だけとりました。
また、ホームパーティを開き、親しい人たちに見守られてとった写真は宝物です。互いに理解する努力を惜しまないことが大事だと思いました。
結婚後の私たちは、手紙の代わりに互いに交換日記を続けています。お互いの気持ちが深まっていくのを感じます。また、スレ違いも少なくなると感じています。
出会いは、どこにあるかわかりません。慎重さは必要だけれど、アクションを起こさなければ扉は開きません。ふり返ればそんなふうに思えました。それは、障害があるなしにかかわらないのではないかとも思いました。
私は、うつやパニック障害などになった日から、結婚をあきらめていました。一人で生きて迷惑をかけないようにがんばらなきゃと思っていました。そうでなくては、両親にもまわりの人にも親友にも申し訳ないと思っていたのです。
しかし、そう思っていた私も一つのきっかけから大きく変化しました。私の場合は、インターネットでの出会いでしたが、さまざまな方法が他にもたくさんあるのではないでしょうか。
出会いが目的でなくとも、自分の好きなことを発信していくなかで変化し、きっかけが生まれることも多いと思います。
恋愛も結婚もミルクチョコだけでなくビターもブラックもあります(笑)。どんな味のつながりも自分を変化させてくれるチャンスや希望なのではないかと私は思っています。
できることからコツコツと、私たちはそんな二人です。