コミュニケーションの楽しさって?


「こころの元気+」2014年2月号(84号)より    ※「こころの元気+」とは→コチラ

情熱のメッセンジャー冠地情の「コミュニケーション実験道場」より ※現在連載は終了しています。

冠地情(かんち・じょう)
●小学生の頃から不登校・ひきこもり・いじめの三冠王でした。
成人後に発達障害(ADHD&アスペルガー症候群の混合型)の診断を受けて、現在は発達障害のある大人の当事者団体「イイトコサガシ」の代表です。


コミュニケーションの楽しさって?(連載の1) 

こんにちは冠地情(本名)です。現在41歳、診断名はADHD&アスペルガー症候群の混合型。障害者手帳3級を持っています(2014年当時)。
「いろいろな人たちとコミュニケーションを楽しく試す、気づく、創り上げる」ことを目的に、全国で「イイトコサガシ」というワークショップを障害あるなしに関係なく展開しています。

その活動をしていて常に感じるのは、「生きづらさをかかえている人たちはコミュニケーションという言葉に楽しさを感じないのだな」ということです。
心の傷や失敗体験、恥ずかしい、情けない、忘れたい…、いろいろとあって、それでも生き抜いてきた皆さんに、私たちがまずお届けしたいのが「コミュニケーションって楽しい」これに尽きます。
単純明快。まずはそれを実感していただかないと次はありえません!

では、どんなときに、人はコミュニケーションを楽しいと感じるのでしょう?
「自分の話に相手が興味を持ってくれたとき」、逆もまた然(しか)りで「相手の話に自分が興味を持てたとき」も楽しいです。
ということは…、相互に「興味」がポイントになります。
私がワークショップをデザインするときに悩んだのがココ。皆さんそれぞれ、こだわりが違うわけですから。

さて、私の答えは…(おそらく皆さん、ずっこけるでしょう)。
ワークショップでは全員どの話にも興味を持とうとする。
「興味がない」はNGワード。
強引?
でもそれがコミュニケーションの基本なんです。
相手が興味を持とうと精一杯試行錯誤してくれたら、あなたもそれにこたえようとしたくなりませんか?

現実はもちろんそんなに甘くありません。
私自身の経験からもそう思います。
ですが、ワークショップでは違います。
私も含めて参加者全員が精一杯「脳みそをフル回転」して興味を持とう、持ってもらおうとします。
そんな環境だったら、自分の身を守ることではなく、興味を開発していくことに集中しやすいですよね?
参加者全員の「脳みそフル回転」の相乗効果は、うまいへた、できるできない、成功失敗を凌駕(りょうが)します!
全力を尽くしている人を目の前にしたら、自分がやれるだけやったなら、価値基準が変わるんです。
話の内容からお互いの気持ちに。
私から皆さんにお伝えしたいのは…、コミュニケーションは技術よりも気持ちです!