15回【2019年11月号の質問】
30代でうつ病の女性です。先日クリニックの待合室でたまたま隣に座った女性と話がはずみました。その方は、20代後半の女性で、就職して5年ぐらいで、仕事の激務が原因でうつ病になり退職されました。病気になった後で、これまでの人生を振り返ってみると、もともと体育会系の生き方で、いつも自分ができるギリギリまでがんばってしまっていたそうです。仕事も「人一倍じゃなくて人三倍ぐらいがんばっていた」そうです。だから自分の限界をオーバーしても当然だった、と淡々と話されていました。「今でもギリギリまでやろうとする傾向があるけれど、できるだけセーブするようになり、なんとなく心に余裕ができてきた。変な話だけれど、病気になる前より心は健康な気がします。病気はこれまでの猛烈な人生を変えるいいきっかけだった」――と語っていました。そのことにとても共感しつつ、うらやましさを覚えました。これまでの自分の人生を見つめ、生き方を変えることは大切なことなのでしょうか。また、病気でありつつも心は元気である、という感覚はありえるのか、ご意見をお聞かせください。
14回【2019年10月号の質問】
50歳のクロスケです。3年前にうつ病と診断され、抗うつ薬と認知行動療法の治療を受けました。変な話ですが、私は前向きなうつ病患者でした。「きっと治る」と言い聞かせ、薬も認知行動療法もきちんと続けました。治療が自分にあっていたのか、ほとんど症状も気にならなくなり、さらに1年半ぐらいたって「薬をやめて様子をみましょう」と担当医に言われて完治したと思っていました。仕事は以前のおよそ8割程度にセーブして続けていました。ところが、最近になり以前うつ病になったときの初期の症状の不眠や下痢が起こり始めました。「これは再発だ」とすぐに感じて、以前と同じ薬をもらい、およそ3か月ぐらいで症状も出なくなりました。担当医からは「再発することがある」と言われていたので、すぐに対処できました。それで気になったのですが、再発の前兆やサインは、いつも同じなのでしょうか。今回の再発は、初発のときと同じような症状だったので気がつきましたが、前兆サインが違う場合もあるのか知っておきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
13回【2019年9月号の質問】
30代男性のシュウです。うつ病になって1年くらいたちます。交通の不便な山間部で暮らしていて、車で40分ほどかけて精神科の診療所に通っています。正直言ってそこの先生とは相性がよくありません。先生はかなり高飛車で、診察のときには気分が重くなり、行きたいと思えません。何かを質問すると、不機嫌そうに返答します。通院して約1年になりますが、症状が改善している感じがしません。家族や友人は、「いやな気持ちだとよくなるものもよくならないだろうから、病院を変えた方がいい」と言います。病院を変えるとしたら、ネットの評判でなんとなくどんな先生なのかはわかりますが、不安は残ります。でも肝心なのは、病院までの距離で、一番近い精神科を選んでも車で1時間半以上かかってしまい、運転する気力がわきません。母に運転してもらうのは申し訳なくて、今の診療所に渋々通っています。担当医との相性がよくないと、回復しないでしょうか。そして、どんなに遠くても医師を変えたほうがよいのでしょうか。お二人のご意見をお聞かせください。
12回【2019年8月号の質問】
私はうつ病の診断を受けてからおよそ2年たつ40代女性です。うつ症状に加えて、不安な気持ちやイライラ感が強くなることがしばしばございます。私の担当医は、頓服薬として、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を処方してくださっております。頓服薬ではございますが、ほぼ毎日1回は服用しております。このお薬がないと不安感やイライラ感が強くてどうにもいけません。最近は、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬の長期使用に制限がもうけられたとも聞きますが、「精神科ではまだだいじょうぶです。でも、副作用や身体依存の問題がありますからね、長期使用はいけませんよ」と担当医から言われました。そのような状態の私ですが、やはり抗不安薬はやめた方がよいのでしょうか。安全に長期使用することはできないのでしょうか。また、やめたとして、この不安感やイライラ感はどうしたらよいのでしょうか。アドバイスをいただければ幸いに存じます。(40代女性 ペンネーム:イラピー)
11回【2019年7月号の質問】
29歳の女性です。劇団員をしていましたが、それだけでは食べていけないのでアルバイトをしていました。4年前に体調をくずし、うつ病と診断され、実家でどんよりとした生活をしていて、今ではほとんど外に出ることはありません。服薬はきちんとしていますが、症状の改善が実感できません。担当医からは、「十分な量を4年間服薬していて改善をしないのは治るのに時間がかかるタイプのうつ病だと思います」と言われてしまいました。4年の間に、3つの薬(常に単剤)を試しましたが、効果を実感できないでいます。劇団員時代にお酒を飲む機会が増え、今も毎日缶ビールを3本くらい飲んでいます。担当医からは生活リズムを改善して、アルコールはひかえてほしい、と言われるのですが、それができなくて苦しんでいます。うつ病がなかなか改善しないとき、他の人たちはどのようにしているのでしょうか。薬以外に何か打つ手はあるのでしょうか? このまま廃人のようになってしまうのではないかという恐怖と不安におびえる毎日です。
10回【2019年6月号の質問】
私は32歳男性で、公務員をしています。激務が続き、およそ2年前に初めてうつ病になりました。治療のおかげで、症状はずいぶんとよくなり、先月は担当医から、「症状もほとんどなくなった状態が2~3か月続いているから寛解と思っていいでしょう。でもしばらくは薬をのんでください」と言われました。「うつ病は再発をしやすい病気でもあるから、半年から1年くらい様子をみましょう。でも、ストレスがなくても再発をすることがあります」、とも言われました。薬はしばらくのむつもりですが、ストレスがなくても再発をすることがあるというのはこわいです。どうやって再発をしないような工夫をしたらよいでしょうか。私は半年前から同じ職場に戻って仕事をしています。うつ病になる前とほぼ同じ部署で、同じような仕事をしています。仕事量は発病前に比べて少し減らしてもらっていますが、相変わらず忙しい毎日です。再発をしないために、どんな工夫をすればよいのか、アドバイスをお願いいたします。
9回【2019年5月号の質問】
29歳の男性です。働いていましたが、うつ病で休職中です。1年ほど前、ひどい下痢にみまわれたのですが、下痢なんて数日もすれば治るものだと思っていました。でも、なかなかなおらず、何かを食べれば水便になる状態で、どんどん痩せていきました。内科に行って整腸剤などをもらいましたが、改善しません。それと並行して、気分の落ち込みも激しくなりました。もともと、仕事の行き詰まりを感じていたときに、下痢とうつ症状が重なって出たのです。親のすすめで精神科のクリニックに行き、うつ病と診断され休職しました。下痢の症状は精神科とは関係がないから担当医に話はしなかったのですが、先日、テレビでうつ病のことをやっていて、さまざまな身体症状が現れることを知って驚きました。この下痢はもしかしたら、うつ病の症状と関係があるのかもしれないと思って、担当医に話したところ、「うつ病は体にも症状が現れることがよくある」と言われました。「うつ病の症状の改善とともに、下痢も治っていくでしょう」と担当医に言われましたが、そういうものなのでしょうか。すでに、14キロ痩せてしまい、このままやせ細って、下痢もうつ病も治らなくなるのではと不安です。
8回【2019年4月号の質問】
私は30歳、夫は36歳で結婚4年目です。子どもはいません。夫はエンジニアで、工場の新しい設備の建設のリーダーをまかされていました。完璧主義なところがあり、その建設がうまくいかず、「このままだとうまくいかない」と悩むようになりました。そして、会社の保健センターから様子がおかしいので、精神科を紹介され受診しました。その時点ではうつ病の可能性があると言われ、投薬と3か月の休職をすることになりました。結局、うつ状態はなかなか改善せず、退職しました。最近、「会社に迷惑をかけた。自分は役に立たない。死にたい」と言うようになりました。先日、一人で外出をするときに様子が変だったので、そっと後からついていったら、国道の道端にぼやっとたたずんでいました。怖くなって、横からそっと声をかけて、家に連れ戻しました。担当医に電話したところ、入院をすすめられましたが、夫は完全に拒否しています。とにかく自殺だけはくいとめたいのですが、本人の自殺願望は強く、いつもそばにいることはできず、私も精神的にへとへとです。どうしたらよいのでしょうか。
7回 【2019年3月号の質問】
私は32歳男性、家内は28歳、結婚して3年目です。昨年転勤して、慣れない土地で暮らすことになりました。出産を考え、妊活をしているため、2人で相談をして家内はどこかで働くことはせず、専業主婦として1日家にいます。家内は慣れない土地になかなかなじめず、人と話す機会も滅多になく、うつ状態になってしまいました。これではいけないと2人で話をして、一時パートで働きに出ましたが、長続きしませんでした。そのうちうつ状態は強くなり、2か月前にクリニックでうつ病と診断されました。励ましたりするのはよくない、とよく言われるので、励ましたりはしませんが、私が仕事から帰宅すると、暗い部屋でぼんやりとしている家内の姿を見ると、これではいけないと感じて、「気分転換に散歩にでも行こう」と何回か無理矢理連れ出しました。家内は気力のない表情で歩くだけで、元気が出る様子はありません。クリニックでもらっている薬は飲んでいる様子です。一緒に暮らす者として、どのように接したらよいのか、途方に暮れてしまいます。どうすればよいでしょうか。
6回【2019年2月号の質問】
先日、新聞で「精神疾患のことが2022年から40年ぶりに教科書にのって、学校で教えられる」という記述を見ましたが、すごくびっくりです。私は2年前にうつ病で会社を退職をした30代の女性です。病気のことは親以外には、だれにも話せないでいます。会社を辞めるときも、病気のことを上司に知らせずに辞めました。この病気はなぜ人に知られたくないんでしょうか。この病気になることは、人間性を否定されるような、そんなイメージが自分のなかにあります。それは自分が持つ偏見なのかもしれませんが、でも、学校でもきちんと教えてくれなかったのは社会のせいではないかと思います。できれば私も学校できちんと精神疾患の知識を教えてほしかったです。そうすれば、自分の受け止め方も違ったものになっていたかもしれません。私の質問は、この病気のことを抵抗なく自分で受け入れて、必要であれば、人に伝えることができるようになるにはどうしたらよいのか、ということです。よろしくお願いいたします。
5回【2019年1月号の質問】 私は双極性スペクトラム障害、解離性障害と診断されています。20代後半の女性です。双極性障害は維持療法が継続して必要だと言われていますので、気分安定薬、抗精神病薬を生涯飲むことになるのだろうなと覚悟しています。
一方、うつ病は単極性うつ病ともいわれ、誰でもがかかる病気とされています。決して、不治の病ではありません。そして、十分な休養と抗うつ薬をうまく使用すれば、3か月程度飲み続けて、徐々に減薬していき、1年もすれば完治する、とも言われています。しかし、私の友人の中には、うつ病を患って十数年、ずっと抗うつ薬をのみ、休職をし、先日退職した人がいます。なぜ同じうつ病でも、比較的すぐに完治する人と長期間患う人がいるのでしょうか? このような差はどこが違うのでしょうか? 私はうつ病でないですが、ひどいうつ状態も何回も経験していますので、不思議に思ったので質問させていただきました。
4回 【2018年12月号の質問】 34歳男性です。5年前に結婚して、3歳の子供が1人います。平穏に生活をしていましたが、家族ぐるみでつきあっていた親友が病気で亡くなったことがショックで、気持ちがふさぎ込むようになり、うつ病になりました。仕事に行けなくなって半年たったころに退職。仕事をやめて10か月たちましたが、経済的なことが不安でしかたがありません。もともと共稼ぎだったので、今は妻の稼ぎだけが頼りで生活をしています。うつ病になる前には、そろそろ家を買おうかと話をしていましたが、今はそれどころではありません。賃貸のマンションを出て、今は家賃の安いアパート暮らしです。最近、障害年金のことを知りましたが、復職を目指しているので申請していません。「うつ病は完全に治る人も多いが、慢性化する人もいる」と担当医がいいます。数年は病気とともに生きることになるとすると、家族をかかえて、どのようにお金のやりくりをしていけばよいのか、将来の見通しがまったく読めなくて不安です。よろしくお願いいたします。
3回【2018年11月号の質問】
3か月前にうつ病と診断されて休職中の30代女性です。私の家は、私の両親と兄、父親の両親と二世代で暮らしています。私の母親は姑と折り合いが悪くて、ときどき険悪な雰囲気になります。そのせいで、すごく面倒で騒がしい家です。そんなことがあって、すごく居心地がよくなくて、病気になる前はできるだけ私は夜遅く帰宅して、食事をすませるとさっさと寝ていました。うつ病になって、あまり外に行くエネルギーがなくて、たいてい家にいます。医師はゆっくりと休むようにいいます。うつ病の本を読んでも、休むように書かれています。私は、常に忙しくしてきたせいか、休み方がよくわかりません。休めと言われてもどうしてよいのかわからないのです。また、自分の家も居心地がよくありません。うつ病になったときの休み方というのは、「とにかく寝る」ということなんでしょうか。とても基本的なことだと思うのですが、よくわからなくて、質問をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
2回【2018年8月号の質問】 ペンネーム:丸矢(男性)――――40代の男性です。うつ病と診断されたのが3か月前。それから2週間後に休職となりました。今は抗うつ薬1剤を1日3回、寝る前に睡眠薬1錠のんでいます。発病時には、何ヶ月も眠れない日が続いていたのですが、睡眠薬のおかげでよく眠れるようになりました。抗うつ薬は効いているのかよくわかりません。でも、今一番心配なのはこれからのことです。できれば同じ会社に復職したいと思っています。少人数の会社なので、私の復帰を待ってくれています。でも、私の場合は仕事や会社の経営状態などのプレッシャーが発病の原因だと私も医師も判断しているのですが、病気が改善して同じ環境にもどったら、また元の木阿弥で再発してしまうのではないかと、それが心配なのです。医師からは環境は変わらないが、自分が変わるという手もある――と言われましたが、その意図が今ひとつよくわかりません。同じ環境に戻って、再発せずにやっていけるものでしょうか?