自傷行為から立ち直るには?


Q 私は四二歳の主婦です。子どもはいません。「神経症」と診断されましたが、うつ状態でもあるとのことでした。そのうつ状態がひどかったころに、自傷行為をしました。手首から三〇センチほど刃物で自分で自分の左腕を何本も切りました。「リストカット」というよりも「アームカット」という感じです。血が出てくるのをじっと見ていました。そのときの心理状態は今でもよく思い出せません。でも日が過ぎて少し冷静さを取り戻したとき、その傷跡は私の心の重い負担となりました。今もそのたくさんの傷あとを見るたびに気分が滅入ってしまいます。こんなみにくい傷をもっている私にはもう友だちができないんじゃないか、とか、生きている価値がないんじゃないかとか、死にたい気持ちにもなります。それ以来、自分をとりまく世界が変わってしまったように思えます。他にもこのような自傷行為をされた方がおられましたら、その方たちの気持ちや、またどうやって立ち直っていかれたのかを知りたいです。よろしくお願いいたします。

A 傷とつきあって生きる/倉田真奈美(岡山県)

私も三八歳で子供がいません。私も自傷行為をしますが、壁に頭を打ちつけたり顔を叩いたりするので傷は残りません。昨年子宮筋腫と肺の腫瘍の手術をして体に二本大きな傷があります。最初は近所の温泉に行くとみんなに見られてるみたいな気がして苦痛でした。彼に気持ち悪がられて抱いてもらえないとか女性として魅力がなくなったのではと落ち込みました。

しかし、この傷のおかげで死ななかったのだし、彼はなんと傷が「かわいい」と言って、いやがるどころかやさしくいつもなでてくれます。傷があっても私は私で、何も失わなかった。むしろ命の大切さ、彼の思いやりに気づかされて、今は傷と一生つきあっていこうと思っています。傷を見たら自分を責めるのではなく、あの時はつらかったのだなあ、自分は生かされているのだなあと感じれたらラクになるかと思います。