「こころの元気+」2017年3月号への投稿より →「こころの元気+」とは
自分も自然の一部 / 英陽子さん 神奈川県
私は躁うつ病、境界性パーソナリティ障害、てんかんの病歴30年です。
それでも今、生きています。病気や障害が複合しているため、多くの薬を服用しています。記憶力や決断力の低下など、できなくなってしまったことがたくさんありますが、それは10歳年を取ったことだし、考えると悲しくなるので、仕方ないと、自分を責めないように努めています。
13年前に、7年半毎週50分、330回ずっと続いていたカウンセリングが、臨床心理士の先生の都合で中止になりました。その時は放心状態で、もちろん精神科の先生にも診てもらっていたのですが、気分がぐっと落ち込みました。でもそれを乗り越えられたのは、犬と猫を5匹飼っていたからだと思います。
病気になってから、友人関係もなくなってしまった私は、その子たち、それに外にいるニャンちゃんや、お散歩中のワンちゃんたちに話しかけて、満足感を得るようになりました。今でも動物たちに話しかけに行きます。
外にいる動物たちは病気になっても自然に治るのを待つしかありません。餌さえも口にできない日が続く時だってあるでしょう。植物だって同じこと、自然はみな自分の力を最大限出して生き残ろうとしているのではないでしょうか。
動物も植物も空気だって自然のものです。変な言い方かもしれませんが、そのどれもが「自分」というものを持っている、人間だけが「意思」を持っているのではないと思うようになりました。そんなことを思うと、私だって、こんな病気に負けてたまるかと、心を強く持つことができるのです。
10年前、病院の先生方に頼ってばかりいた自分は、今はその頃よりはるかに行動するのに不自由になった自分を受け入れ、自然とともに流されていく心地よさを感じるようになりました。
病気とはあえて闘わなくてもいいのです。自分も自然の一部。この時を大切に生き、過ぎ去った昔は忘れるようにして、未来を待ち望んでいると心は軽くなります。