リカバリーフォーラム2016用語集
リカバリー全国フォーラム内で、出てくる英語や難解な専門用語など、いくつかをまとめてABC順、あいうえお順に説明文を作成してみました。
言葉の解説には異論があるかもしれませんが、分科会や参加プログラムを選ぶさいの参考になれば幸いです。
◆用語と 解説◆
〔アルファベット順〕
ACT (アクト)
Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援プログラム。
医師、看護師、精神保健福祉士などのいろいろな職業のチームで重症精神障害者をケアマネジメントすることで地域生活を支える手法。詳しくは→コチラ
IMR (アイエムアール)
Illness Management and Recovery: 疾病管理とリカバリー。
精神疾患をもつ人が、自分に適した方法で自らの精神疾患を自己管理し、リカバリーゴールを目指すために必要な情報や技術を手に入れることを目指すパッケージ化された心理社会的介入プログラム。
IPS (アイピーエス)
Individual Placement and Support :個別就労支援プログラム。
アメリカで開発された就労支援モデル。
従来の職業リハビリテーションと違い、職業に就く準備ができている・できていないなどの判断をしません。
診断名・重篤度・入院歴等と就労達成率には関連がないという科学的根拠から、本人の好みや長所に注目した求職活動と同伴的な支援を継続します。
(IPSには、他にもIntentional Peer Support インテンショナル・ピアサポート:意図的なピアサポートというような意味を表すものもあります)
学校MHL (ガッコウエムエイチエル)
Mental Health Literacy:メンタルヘルスリテラシー。
学校の授業の一環として「心の健康」についての教育を行うプログラム。
PNPP (ピーエヌピーピー)
Peer Network Promotion Project: ピア・ネットワーク・プロモーション・プロジェクト
コンボのピアサポート盛り上げ企画です。ピアサポートグループに興味のある方、グループを立ち上げたい方を応援しています。
「言いっぱなし、聞きっぱなし」のグループを作り、運営し、全国のピアグループとネットワークを作ることをめざしています。仲間の力を信じて、つながりを作るためのネットワークです。
PNPPの内容(どんなことをするのかは)→こちら
SDM (エスディーエム)
Shared Decision Making:シェアードディシジョンメーキング
当事者と精神科医(専門家)の共同意思決定。
医師が一方的に治療方針を決めるのではなく、薬の選択肢やそれぞれの長所と短所を当事者(患者さん)と共有し、相談して治療をすすめるという考え方。
SDMのくわしい説明→こちら
SST (エスエスティー)
Social Skills Training: 社会生活技能訓練。
社会生活を送るうえで相手に理解をしてもらえるように伝え方や行動を訓練すること。
WRAP (ラップ)
Wellness Recovery Action Plan:元気回復行動プラン。
当事者が自分がいつ、どんな状況で気分が落ちこむのか、どうやってよい感じを保つのか等を書き出し、対処法を決めておく。そんな自分でつくる生活管理プランです。
〔あいうえお順〕
アウトリーチ
ユーザーの自宅等に出向いて支援を行う、いわゆる「訪問による支援」を意味します。
アンチスティグマ
スティグマは「差別」や「偏見」という意味で使われることが多いです。もとは、犯罪者や奴隷の烙印とされたタトゥを意味し、社会から受容を拒否された人々のことを総称していました。
アンチスティグマは「アンチ」がつくので、その反対や対極を表しています。
オープンダイアローグ
Open Dialogueは、「開かれた対話」という意味です。
これは、フィンランドのケロプダス病院で1980年代半ばから90年代前半にかけて開発された精神科治療システムの名称です。
この治療システムの特徴は、あらゆる精神科的治療ニーズのある人、特に幻覚妄想や混乱が激しい急性期状態にある人に、迅速に「治療ミーティング」が提案され実施されることです。
当事者
そのことに直接関わりがある人のこと、すなわち、精神保健福祉分野の場合では、精神疾患をもつ本人を、「当事者」と呼んでいます。
トークライブ
あるテーマについてのおしゃべりや対談などを聴く催し。
リカバリーフォーラムのトークライブでは、会場にいる参加者が発表できます。
ピア(ピアスタッフやピアサポート)
心に困難をかかえ、精神疾患をもつ人(当事者)を仲間同士で「ピア」と呼んでいます。
ピアサポートやピアスタッフのピアも同じ意味です。
ファシリテーター
指導や指示をするのではなく、発言などを促す進行役のことです。
当事者が自分の元気を回復するための行動計画ラップ(WRAP)など各分野で活躍してくださいます。
リカバリー
英語としての意味は「回復」ですが、単なる回復だけではなく、病気などによって失われた自分の可能性を広げていくプロセスのことで、それには限りがなく、人によって異なるものとされています。
リカバリーは何かというテーマで長い話し合いができるほど、多様なものとなっています。
〔分科会の形式について〕
〇シンポジウム形式: 出演者からの体験談、話題提供、事例紹介などの発表・講演が中心です。質疑応答の時間もあります。
〇ワークショップ形式: 体験型講座のこと。参加者が参加・体験し、 グループで何かを学びあったり創り出したりする、双方向的な方法です。
小グループに分かれて行うディスカッションやワークなどが中心です。
「ワールドカフェ」は、このスタイルの一種です。