こころの元気+ 2016年5月号111号 特集2より →『こころの元気+』とは
私のつらい離脱体験
自分の判断で
(愛媛県)ふぅさん
統合失調症の28歳女性です。
今から5年ほど前に自分の勝手な判断で断薬したことがあります。
当時の薬は、1日にリスパダール3錠、ランドセン、ラミクタール、ソラナックス、アキネトン、レンドルミン、名前は忘れましたが抗うつ剤を、それぞれ1錠ずつでした。
当時介護の仕事をしており、1年間正社員で働いたのですが、だんだん仕事に行くのがしんどくなり休みがちになったため、パートにしてもらった頃です。
思い切って自分の判断で、2日かけて全部の薬をとめたのですが、吐き気があって食べられないこともあり、2日で3キロ体重が減りました。
また、初めの1日はまったく眠れず、次の日仕事に行くと、少し動いただけで大量の汗が出ました。
それからは、なかなか眠れず、やっと眠っても4時、5時には目が覚め、1日2、3時間しか眠れませんでした。
そのかわり朝の目覚めはよく、疲れてはいたものの朝から調子のいい日が続きました。
すべての感覚が鋭敏になる感じです。
今までより匂いに敏感になり、頭のてっぺんから足の先まで神経が鋭くなる感じ、頭も冴え渡りました。
薬をのんでいる状態は、いわば負荷をかけて筋トレをしている状態。
負荷を外せば、今までより力が出ます。
感覚が鋭敏で調子がよい状態は2か月ほど続きましたが、その後仕事のミスが出始め、幻聴がひどくなり、精神科病院への入院を余儀なくされました。
子どもに毒だと思い…
(大阪府)キナコモチコさん
統合失調症20代女性です。
私の経験した離脱症状は、すさまじいものでした。
そもそもなぜ断薬したのか…という話からです。
結婚を考えている彼とつきあいはじめて一年経った頃でしょうか、生理が遅れている月がありました。
単に遅れていただけでしたが、「まさか…妊娠!?」とかんちがいをした私は、知識の浅いまま、「生まれてくる子どもに薬は毒だ!」と思いこみ、勝手に断薬しました。
あたりまえですが即体調を崩しました。
発汗、過度の興奮、不眠、幻視・幻聴…、そう、離脱症状でした。
その間3~4日地獄をみることに…。
しかし、さすがにおかしいと察した家族が薬を確認したところ、もう何日も、のんでいない量の薬がジャラジャラ…。
もう、ものっすごく怒られながら薬をのみました。
症状はそこで治まりましたが、後日看護師をしている親友に、家族には言えなかった「妊娠の可能性があったことからの断薬だった…」と伝えると、「自殺行為に等しいから、勝手な断薬は絶対にだめ。あと、籍を入れるまでは、避妊!」と釘を打たれました。
皆さん、どんな理由であれ先生の指示なしに断薬は絶対にしちゃだめですよ!
自分が許せず
(東京都)めいさん
医師の指示を待たずに、自身で断薬してひどいことになった経験があります。
当時は精神科に通っている自分、精神科の薬を服用している自分が許せなかったのだと思います。
絶え間なく続く不安感、そわそわした感じに、四六時中悩まされました。
精神科に通院する自分を許せなかったので二重につらい思いをしました。
精神科の薬は、2週間くらいしないと効かない薬が多いように思いました。
新しく処方された抗不安薬が効くまで、つらい日々が続きました。
自分の判断での断薬や減薬は、絶対にしないでください。
私がそのつらい日々に、よりどころとしたのは、「つらい」と言える場と仲間、具体的にはミーティングの空間と出逢った仲間と「今日は不安感どうだった」と毎日尋ねてくれた主人です。
お薬が効き始めたのと精神科に通う自分を「ま、いいか」と思えるようになったのは、同時期かと思います。
お薬をきちんと服用することはとても大切です。
しかし、服用するに至った自分を自身で受け入れることがないとお薬の効果が充分に出ないのではないかと思います。