「第9回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)」
「当事者部門」「支援者部門」で、2氏2団体を表彰
~地域社会で自立に励む当事者主体の活動や、新たな社会課題への取り組みを評価~
特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構・コンボ(事務局:千葉県市川市、以下「コンボ」)は、2013年3月8日(金)、ベルサール八重洲(東京都) にて、「第9回精神障害者自立支援活動賞(通称:リリー賞)」の表彰式を開催し、「当事者部門(副賞100万円)」と今年新設の「支援者部 門(副賞)50万円」の2部門あわせて2氏2団体の受賞者に対し、盾と副賞を授与いたしました。
【受賞者、プレゼンター 萩原流行・まゆ美ご夫妻、選考委員、協賛社による記念撮影】
第9回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞) 受賞者プロフィールおよび受賞理由
【当事者部門】 佐々木実(ささきみのる)さん 〈北海道浦河郡〉
障害者自身による起業のパイオニア、社会福祉法人浦河べてるの家理事長
社会福祉法人浦河べてるの家 理事長 / 有限会社福祉ショップべてる 代表取締役社長
「自立」「自活」を掲げ、夢と希望を持って生きる当事者自身による起業のパイオニア。1978年、統合失調症で7年間の入院生活ののち、志を同じくする支 援者や当事者らと、地元の特産品である日高昆布の製品製造・販売や介護用品事業にて、当事者の雇用機会を拡大。「病気や生きづらさがあっても、保護される だけでなく、自ら『現実の苦労を取り戻す』ことが大事」という姿勢は、『社会福祉法人浦河べてるの家』などの当事者主体の取り組みに発展。過疎地域におけ る当事者自身による自立への長年の功績が高く評価された。
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【当事者部門】 清水崇宏(しみずたかひろ)さん 〈富山県中新川郡立山町〉
「心の病になったって人を元気にすることはできるはず!」夫婦チンドンで啓発活動
統合失調症の発症後、まわりの視線に敏感になり、人と関わりづらくなっていったが、妻に「どうせ変な人と思われているのだったら一層のこと、正々堂々と皆 に笑ってもらえばいい」と言われ、「チンドン育成講座」を受講。観客からの拍手や「元気になった」と声をかけてもらったことが、生きていく自信を取り戻す きっかけになった。現在は、「心の病になったって人を元気にすることはできるはず!」と、夫婦チンドンのパフォーマンスで疾患の啓発活動を行っている。同 じ障害をもった仲間とともに、地元の祭りや地域の行事に参加するなど、町の活性化に貢献するユニークな活動が評価された。
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【支援者部門】 親&子どものサポートを考える会 〈三重県津市〉
精神障害を持つ親の子どもを支援
精神障害を持つ親の子どもの支援や精神障害者への理解を深める啓発活動を行っている。三重大学看護学科の助教 土田幸子氏らが2009年9月に立ち上げ た。精神障害を持つ親の子どもは当事者である親のできなくなった役割を担い、親をケアしながら生活している。会では、精神障害を持つ親の子ども(既成人) が語らう「子どもの集い・交流会」などを開催し、情報提供・精神的支援を行う活動をしている。2013年夏に、東京での「全国版の子どもの集い」の開催を 準備中。精神に障害を抱える親とその子どもの支援という視点や取り組みが新しく、新たな社会的課題を示したことが評価された。
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【支援者部門】 世界の医療団 東京プロジェクト 〈東京都〉
精神疾患を抱えるホームレス状態の人たちを支援
ホームレス状態の人の約6割に何らかの精神疾患があることを知り、NPO法人TENOHASI、べてぶくろと共同で2010年「東京プロジェクト」を設 立。行政によるホームレス対策には、精神障害者に対応しているものがなく、精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士、看護師などのプロジェクトメンバーが路 上や炊き出しの場に出て、精神疾患を抱えるホームレス状態の人々を医療や福祉につないだり、社会復帰を目指したリハビリプログラムを展開したりと包括的な 支援を行っている。地域や行政、医療機関と連携し、見過ごされてきた支援を開拓する取り組みが評価された。
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