「第11回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)」
「当事者部門」「支援者部門」で、1個人3団体を表彰
~当事者同士の交流や、家族による福祉の枠を超えた活動を評価~
特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構・コンボは、2015年3月20日(金)、ベルサール八重洲(東京 都)にて、「第10回精神障害者自立支援活動賞(通称:リリー賞)」の表彰式を開催し、「当事者部門(副賞100万円)」と「支援者部門(副賞50万 円)」の 2部門あわせて3氏1団体の受賞者に対し、楯と副賞を授与いたしました。
【受賞者、プレゼンター;松本ハウスさん、選考委員、協賛社による記念撮影】
第11回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞) 受賞者プロフィールおよび受賞理由
【当事者部門】 槇野綾(まきのあや)さん 〈大阪府大阪市〉
うつ病と闘いながら音楽療法による精神障害者支援と音楽活動を両立させるオペラ歌手
オペラ歌手として世界各地でリサイタルを開催するなど国際的に活躍していた槇野綾さん。しかし、活動拠点としたアメリカでうつ病を発症。日本に帰国し、う つ病との闘いを続け、シングルマザーとしても奮闘しながら、現在は障害福祉サービス事業所において音楽療法による精神障害者支援を行っている。関西二期会 オペラ公演でメインキャストを演じるなどオペラ歌手としても第一線で活躍しながら、精神科領域における音楽療法の重要性を認識し、当事者とコンサートを行 うなど地域で交流活動を行っている点が評価された。
【当事者部門】 いこいの場ほっとハウス 〈京都府宇治市〉
双極性障害などの当事者による精神障害者が集える場の運営、培った信頼関係で緊急入院時支援も実施
1992年4月、双極性障害などの当事者4名が集い、町なかで精神障害者が安心して過ごせるいこいの場を開設。フリースペースに、毎日20~30名の利用 者が大家族のように集い、思い思いの時間を過ごしている。利用者の体調が悪い時には訪問や弁当配達、緊急入院時には診察への付き添いなどのピアサポート や、病院への情報提供、病院間の橋渡し等の調整を行い、利用者が適切な医療を受けられるよう活動している。日々の生活の中で直面するニーズに敏感に対応し て、精神障害者が地域で安心して暮らしていくための活動を当事者自ら創り出し、23年にわたり継続してきたことが高く評価された。
【支援者部門】 多摩草むらの会 〈東京都多摩市〉
福祉の枠を超えた経営センスと多角的な事業展開で、精神障害者の自立生活を支援
1997年、同じデイケアに通う精神障害者の家族会として発足。グループホームの設立を皮切りに、レストラン、農園、弁当の製造販売など多角的に事業を展 開し、精神障害者に就労機会や生活の場を提供。現在では、約360人の当事者をサポートする都内最大規模の精神障害者支援活動となっている。2014年に は大型商業施設内のレストラン街に出店するなど、精神障害者が福祉の枠を超えて社会とつながり、地域で安心して自立生活ができるよう活動している。経営的 な視点を持ち、事業に収益性を求めながら、地域に即した精神保健福祉活動の充実をはかってきた点が高く評価された。
【支援者部門】 NPO法人こころ・あんしんLight(こあら) 〈兵庫県尼崎市〉
こころの不調を抱える子どもの家族・当事者・支援者による思春期精神保健福祉教材づくりと啓発活動
こころの不調、病気を抱える就学期の子どもの家族会および支援者会として活動。家族同士の集い、学校や地域社会の理解を得るための啓発活動などを行ってい る。会員は約70名。各地からの電話やメールでの相談にも対応している。家族、当事者、教育関係者、精神保健福祉領域の専門職とともに、3年がかりで教材 づくりを行うなど、こころの不調や病気になった子どもたちが、周囲の理解を得ながら学校生活が送れるように、啓発や支援の活動を続けてきたことが評価され た。